~Thank you for the message~
 シンポジウム開催を機に、全国の方々からメッセージをいただきました。
(主に岩手県外・シンポジウム協力のみなさま方)
いわてのひとり親家族のみなさんとインクルメンバーにとって、岩手から遠く離れていても応援してくださる方々の存在は何よりの支えとなります。
今後の活動の糧となる言葉の数々、心から感謝いたしております。

掲載可能なメッセージを50音順(敬称略)に紹介させていただきます。
匿名、掲載を希望されない方々からいただいた温かいメッセージも大切にしております。
ひとつひとつのメッセージを胸に歩んでいきます。
皆様、本当にありがとうございました!

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お名前順にご紹介いたします。(か~こ)


葛西リサ(大阪市立大学都市研究プラザ)
東日本大震災による被害、そして、復興のさなか、このような、すばらしい会が立ち上がったことを、とても嬉しく思います。
私は、ひとり親の住生活に関する研究をおこなってきましたが、学生時代に神戸で過ごしたということもあり、「阪神淡路大震災と母子世帯の被害、生活復興」と題して調査を実施した経験があります。但し、このテーマに着手したのは、震災から13年後のことですが・・・。阪神淡路の特徴は、住宅被害が大きかった点であり、老朽した住宅が軒並み被災しました。私は、「経済的に困窮する母子世帯の住宅事情は、非常に脆弱であり、その関係から、彼女らの住宅被害は、より甚大だったのではないか?」という仮説をたてました。しかし、驚くべきことに、ひとり親と住宅被害、生活復興に関する調査データはほとんど実施されておらず調査は難航しました。唯一、とある市の母子相談員が記録のために集計したデータが残されていたのですが、その内容は、やはり、母子世帯の住宅被害は、一般世帯はもとより、生活保護世帯よりも深刻だったというものでした。また、大きな住宅被害を受けていても、避難所や仮設住宅を利用していないひとり親が多かったというデータも発見されました。当時被災した母子世帯に聞き取りしたところ「生活のために、働き続けなければならないが、避難所に子を置いていくことはできなかった」や、「入居可能な仮設住宅の場所が遠隔地にあり入居を断念した。仕事に不便で、子どもを転校させることは避けたかった。」などというニーズが支援策と合致せず、結局は、何の支援も得られなかったという声が挙がりました。但し、当時、そういったひとり親のニーズは支援に全く反映されませんでした。
災害後の生活復興には、あらゆる世帯のニーズが反映されるべきであり、そのためには、やはり、それぞれの声を可視化し、それを訴えていく必要があると考えます。そういった意味においても、被災ひとり親により沿い、そして、支援活動を実践される、インクル岩手の活動は、貴重であるといえます。今後、ますますのご活躍を期待しております。

加藤伊都子(フェミニストカウンセリング堺)
シンポジウム「ひとり親家族支援を考える」開催おめでとうございます。
「家族のカタチにかかわらず、誰もが生き生きと暮らしていける包摂された社会(Inclusive Society)の実現に向けて」という活動の目的に心から賛同いたします。

河上正二(内閣府消費者委員会委員長・東京大学教授)
「『インクルいわて』の立ち上げに期待する」
先日、理事長の山屋氏から「NPO法人インクルいわて」を立ち上げるという連絡をいただいた。聞けば、様々な生活弱者を総合的・包括的に支援するための中核機関となることを目指しているという。山屋氏は、かつて消費生活相談員であった頃に、仙台で私が主催していた消費者法問題研究会に、熱心に通っていた人で、いわば「教え子」に当たる。いうまでもなく、消費者問題は裾野が広く、生活の安全・安心を基本にしながら、商品の安全・表示・契約適正化など、法制度面の問題のみならず、実際に被害に遭われた方々に対する支援のために、様々なスキルが求められる。しかし、そのようなスキルを駆使しても、「消費者問題」としてセンターなどで扱えるものは、相談者の生活の一側面でしかないという限界があることは、相談現場にいる者であれば、誰しも痛感しているところであろう。
たとえば、高齢者が投資詐欺にあったり、多重債務者が悪質な貸金業者に追い詰められているといった問題に対して、かりにうまく契約を解除したり、支払金の一部を取り戻すといったことが可能であったとしても、その後の、高齢者や多重債務者の安全・安心な生活が維持されるとは限らない。結局、福祉その他の関連部局との連携をとりながら、何とか次の一歩を踏み出せるところまで、つきそってあげることができなければ、問題の根本的な解決にはつながらない。しかし、それにはあまりにも多くのマンパワーが必要になる。問題をトータルに捉えることの必要性は分かっていても、なかなか手が出せないでいるのが現実である。
しかし、今日の著しい格差社会にあって、社会的貧困層や生活弱者が増え、高齢化の進むところで、互いに見守り合うことの重要性はますます高まっている。そして、このことを何より痛感させたのが東日本大震災でもあった。地震は、誰の足下も平等に揺らすが、被害は、弱者のところに反比例的に大きく発生し、ときに、生活弱者が立ち上がれないところまで追い詰めるからである。
そんな現場を見続けてきた山屋氏が、なんとか総合的支援・包括的支援を実現できないかとの熱意を持って、「インクルいわて」の活動を開始し、数多くの専門家とも連携しながら、取り組みを開始したことに対し、心からの敬意と声援を送りたい。いうまでもなく、前途は容易ではないと思われる。人ひとりの人生の重みを考えると、他者による「支援」には限界があるからである。しかし、差別や貧困、生活困難などに悩み、押しつぶされそうになっている人を、一人でも多く助け起こして、次の一歩が踏み出せるところまででも支えることができればとの思いは尊い。
これから「インクルいわて」の活動に、大いに期待したい。

神原文子(神戸学院大学教員、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西)
 このたびは、NPO法人インクルいわてを設立されましたことに、関西の地で、ささやかながら同じような活動しているひとりとして、心よりエールを送らせていただきます。
 昨年の東日本大震災以前から「子づれシングル」として子どもさんと生活しておられた方々だけではなく、大震災により、子どもを亡くされた親御さん、保護者を亡くされた子どもさん、また、震災後に離婚して「子づれシングル」になられた方々など、支援を必要とされておられる方々の思いやニーズを受け止め、立ち上がり、行動を起こされたことに、感動し、敬意を表したいと思います。
 私は、シングルマザーもシングルファーザーもあわせて、「子どものいるシングルの生活者」という意味で、「子づれシングル」と呼んでいます。東日本大震災の経験は、私自身にとりましても、子づれシングルと子どもたちへの支援のあり方を、原点に立ち返って再検討する機会となりました。
わが国の子づれシングルの多くは、日常生活において様々な困難や悩みを抱えています。たとえば、①半数以上が非正規雇用であり、母子世帯の年収は全世帯の4割にも充たないこと、②子育ての悩み、賃貸住宅の家賃の高さ、職場や地域における関係の悩みなどの複合的な生活困難を、ひとりで抱えていること、③親族や近隣などで援助を頼める人がいるとは限らないこと、また、④差別や偏見を受けることが少なくないこと、などです。にもかかわらず、わが国では、このような現状に対して、積極的な解決策が講じられないまま、なかば放置されています。子づれシングルと子どもたちが、「社会的に排除されている」といえます。
社会的に排除されているシングルマザーと子どもたちにとって、目指すべき解決策は、「社会的に包摂される」仕組みを構築することだと考えます(「インクル」という名称、素敵です)。
具体的には、①健康で文化的な最低限の生活費の保障、②必要な生活費を確保することと子育てを両立できること、③必要な情報や人的サービスに容易にアクセスできること、④多様な家族や多様な生き方に対する差別や偏見を撤廃する法整備、などです。
当然と思えることがらを列挙しているだけですが、実現までの道のりはまだまだ遠そうです。でも、地道な支援の取り組みが、きっと実を結ぶと信じています。
実現に向けての課題を列挙したいと思います。

①転居して間がないなど、地域とのつながりが希薄な子づれシングルと子どもたちのところに、生活に必要な情報が確実に届くような手だてがほしい。
②子づれシングルの多くは、日常的に仕事と子育てで非常に忙しく余裕もないことから、困ったことがあっても声を上げることができない場合が少なくない。地域の人々には、子づれシングルとも子どもたちとも、気軽に声をかけあえる関係づくりを期待したい。
③行政と協力しながら、地域のなかで助け合いネットワークを立ち上げ、そのなかに、子づれシングルと子どもたちを組み込んで欲しい。
④平時でもさまざまな生活困難を抱えている子づれシングルが、被災により、さらに、生活が困難になっているにちがいない。生活再建への十分な支援を期待したい。
⑤災害によって、配偶者を亡くし、子づれシングルとなった方々と子どもたちに、物心両面の十分なサポートを期待したい。
⑥子づれシングルへの支援策とは別に、子どもたちへのダイレクトな支援策を期待したい。
⑦DVから離婚した子づれシングルと子どもたちが、避難先で元夫と出会ったり、二次被害に遭ったりすることがないように、また、新たな性暴力被害を受けることがないように、性暴力被害者の保護と性暴力の予防に配慮した支援策を期待したい。
⑧東日本大震災の被災経験を、今後の防災対策に活かしてほしい。たとえば、親ひとりで、幼児ふたりを抱えてどのように避難するのか、生活資金が乏しく、住まいは倒壊し、職をなくした子づれシングルが、いかに生活の立て直しをはかるのか、などなど。

 子づれシングルと子どもたちへの支援のみならず、支援者や支援団体を支援する裾野の広いネットワークが重要であると実感しています。そして、支援者、支援団体同士のネットワークもとても重要ですね。一個人として、当事者支援の団体に関わる立場としても、ともにつながりながら、支援者支援のネットワークを広げていけるといいですね。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

禧久孝一(奄美市)
 「インクルいわて」の設立、並びに本日のシンポジウムの開催を心からお祝い申し上げます。私自身、母と二人の母子世帯でしたので「ひとり親世帯」のご苦労は理解できるつもりでいます。特に、格差の拡大に加え昨年の東日本大震災により、東北の「ひとり親世帯」を取り巻く環境がますます厳しくなっていることを考えると胸が締め付けられる思いでいます。
 複数の問題を抱えながら誰にも相談できず一人で悩んでいる方も「今日よりいい明日がある」と思えたら生きていけます。そして、そのような日々を過ごし続けることが「生き続ける」ということであり、そのためには誰かが寄り添うことが必要です。「インクルいわて」が東北の「ひとり親世帯」に寄り添い、一人でも多くの方に「今日よりいい明日がある」という一筋の光を見いだせるような活動をなされることを心から願っています。
私たち一人一人は微力ですが無力ではありません。今日のシンポジウムが東北の「ひとり親世帯支援」のスタートとなり、皆様の活動が広がっていきますよう奄美から祈っています。

木下勝晶(株式会社アイビーエス)
いろんな社会的に意義のある活動はかなり大変だと思いますがとにかく地道に頑張って下さい。陰ながら福岡の地より応援しております。

楠田弘子(USA在住)
今回団体設立のお知らせをうけ心からうれしく思っています。遠いニューオーリンズから応援します。ニューオーリンズもカトリーナ到来から7年を迎えます。街は完全に復興してはいませんが、あちらこちらで新しい風が吹き始めています。長い道のりですが志を維持しがんばってください。

熊坂義裕(一般社団法人社会的包摂サポートセンター代表理事)
「ひとり親家族支援を考える」シンポジウムの開催、おめでとうございます。私たちの法人が実施している「よりそいホットライン」には、さまざまな相談が寄せられていますが、「社会的排除」の現実はすさまじいものでした。特に女性からのご相談は深刻です。シングルマザーの皆さんが多くの課題を抱えておられる中で「インクル」の存在は頼もしい限りです。社会的包摂の推進に向けて皆様のご活躍を心より祈念いたします。

黒田大介(精神障害当事者・家族・関係機関・市民のネットワーク「盛岡ハートネット」事務局)
 インクルいわての設立、おめでとうございます。
震災は、つながりの大切さを教えてくれました。そして、官民問わず、震災以前からやるべきことをやってきた人は、震災以後もやるべきことをやっているということも、震災は教えてくれました。
 精神保健や障害福祉は、女性問題と密接にリンクしています。今後、ケースを共有することがあろうかと思います。どうぞよろしくお願いします。

小出直子(福岡市)
シンポジウム「ひとり親家族支援を考える」開催に感謝申し上げます。そして、インクルいわての立ち上げに心から拍手と感謝の思いでいっぱいです。応援のメッセージとして適切かどうかわかりませんが、私の心に今、聞こえてきた言葉を書かせていただきます。
「わかちあうことができれば、悲しみは半分に、喜びは2倍になります。」
本当に、言い尽くされた平凡な言葉かもしれません。この言葉は、アメリカ・インディアンのことわざですよね。私たちは、皆、繋がっています。心を開く勇気を持って、一緒に成長していきたいと願っております。皆さん、頑張りすぎないでください。半分ずつにしましょう。

近藤恵子(全国女性シェルターネット)
東日本大震災は地域を崩壊させただけではなく、この社会が未解決のまま抱えていた課題をあぶりだしました。暴力と貧困、社会的包摂システムの脆弱性は、その最たるものです。当事者の力こそが世の中を創り変えていく希望です。困難を切り拓く女性や子どもたちとともに、インクルいわての活動にご一緒させていただきたいと思います。

2012.07.09 Mon l ★全国からの応援メッセージ l top