~Thank you for the message~
シンポジウム開催を機に、全国の方々からメッセージをいただきました。
(主に岩手県外・シンポジウム協力のみなさま方)
いわてのひとり親家族のみなさんとインクルメンバーにとって、岩手から遠く離れていても応援してくださる方々の存在は何よりの支えとなります。
今後の活動の糧となる言葉の数々、心から感謝いたしております。
掲載可能なメッセージを50音順(敬称略)に紹介させていただきます。
匿名、掲載を希望されない方々からいただいた温かいメッセージも大切にしております。
ひとつひとつのメッセージを胸に歩んでいきます。
皆様、本当にありがとうございました!
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お名前の順にご紹介いたします。(ま~わ)
松下希和(東京都在住)
子育ては両親揃っていても大変なことばかりですが、その責任をひとりで担う方々に少しでもお役に立つような活動は素晴らしいと思います。子供たちのためにも、応援しています!
松下延子(東京都在住)
「インクルいわて」の設立へのご努力、勇気と献身へ心から敬意を表します。もう少し若ければ私も参加したい気持ちです。行政の行き届かぬこと、取りこぼしのことは多々あるはずで、そこを肌理細かい活動で埋めていくことこそ、このようなNPO法人の存在価値だと思います。人はちょっとした支援でも大きな励ましになることがあります。皆様の活動により、今支援を必要とされている方々が一日も早く自立なさり、ご自分の人生を歩まれることを祈っております。
松田くみ子(株式会社キャリア・リード)
「インクルいわて」設立おめでとうございます。昨年の東日本大震災大変なご苦労されたと思います。新聞・テレビ等の報道からの話や映像は、想像を絶するものでした。でも、負けないでひとり親家族支援に情熱を持って携わっていらっしゃる皆さん、頭が下がります。私たちも遠い福岡ですが、ひとり親と家族の方々と関わって仕事をしています。日々一人でも幸せな心を取り戻して欲しいと、考えて過ごしています。「インクルいわて」の皆さん頑張ってください!!
私の好きな言葉です。「神がわたしたちに背負いきれないほどの十字架をお与えになるはずはないと信じています。神は私たちが幸せであることをお望みなのですから、私たちが悲しむことなど望んではおられないでしょう。嵐のあとで鳥がさえずるんです。私たちだってそうすればいいはずでしょう」
松本伊智朗(北海道大学)
インクルいわてのリーフレットに、「『生きる』を支えます」という言葉があります。味のある、素敵な言葉だと思います。考えてみれば、この世のだれ一人として「支えられること/支えること」なしに、生きてきた人はいません。当たり前のことですが、忘れがちなことです。インクルいわての「生きる」を支える活動が、ゆっくりと広がりますように。
宮内幸生(ライオンズクラブ国際協会、久留米高牟礼ライオンズクラブ)
「NPO法人インクルいわて」様の本格的な活動開始をお祝いします。今後のご活躍をお祈り致します。
私は、ライオンズクラブ国際協会337-A地区 5R-2Z 久留米高牟礼ライオンズクラブに所属しています。当クラブは特に青少年の育成に関する事項を中心に活動しております。御NPO法人と共通するテーマもあると思います。情報交換含め、連携できればと思っております。皆様のご活躍をお祈り致します。
宮本太郎(北海道大学)
EUは、2010年から「インクルーシブな成長」を欧州再生のキーワードとしています。誰も排除しない、1人ひとりの力を引き出し活かす成長という意味です。これになぞらえれば、「インクルーシブな復興」こそ、2011年3月以降の日本再生のキーワードです。復興への力を束ねながら、こどもとお母さんの包摂を目指すインクルいわては、この考え方の先駆的な担い手となりうると思います。土建復興に傾きがちな震災復興の流れを転換し、排除しない地域社会を構築していく役割を期待しています。
村井 幹人(いわて文化大使 (盛岡市出身) 福岡ソフトバンクホークスマーケティング株式会社)
ひとり親世帯への「かわいそう」「片親だから」という目線や偏見、差別を少しでも解消でき、尊厳を失うことのないよう願ってやみません。 設立趣旨書を拝見しながら、子育てへの喪失感、社会からの孤立感の増幅を阻むことが、活動の骨子であると理解しております。
今年1月に帰郷した折り、陸前高田から釜石あたりまで行きましたが、復興のスピードが遅々としていると感じました。
政治が停滞し、地方行政に大きな痛手となっていると感じておりますが、是非いま、一生懸命に生活してゆこうとしている人達の、支援に取り組んで貰いたいと考える次第です。
只今は、遠く九州から思いを寄せることしかできませんが、郷里のために何か役に立ちたいと思っております。 先ずは賛同することから始めたいと思います。
村上晃(弁護士、長野県)
「インクルいわて」の設立に際し、関係者の皆さんには、心より敬意を表します。我が国では、子どもの貧困、一人親世帯の貧困が叫ばれながら、国や全国の多くの地方自治体は有効な手当を打たないままになっています。もうこれ以上待ってはいられないとの思いから、この度の設立を決断されたことと思います。皆様の取り組みが、地域社会の希望となり、さらに希望の和が全国に広がっていくことを祈念しております。
MORI(福岡県在住)
平成23年3月11日からあっという間に1年以上の歳月が過ぎてしまいました。あの日から今までの間、福岡に住んでいる私は災害に遭われた方々に何か出来てきただろうかと自問自答しています。会社での募金活動や支援物資の現地送付など、一般的な事はやってきました。しかし、自分がやってきたことは本当に現地の方々のお役に立っているのだろうか?と思っていました。その理由は明白で、私が現地にいないからなのです。
今般、ひとり親家族を支援する御法人の設立のお話をお伺いしました。私の考える被災地支援は、現地にいて初めて出来るものだと考えます。私は引続き何らかの形での支援を行っていきます。しかしそれは福岡からです。NPO法人インクルいわて様に於かれましては、是非、現地主義に則った支援を行っていただくことをお願い申し上げ、御法人へのエールの言葉に代えさせて頂きます。
森田明美
(東洋大学教授、NPO法人こども福祉研究所理事長、
東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長)
子どもを育てることが大変な時代にあって、ひとりで育てること、被災地で育てることには二重三重の課題があります。地域支援がもっとたくさん、重層的に整備され、それを自信持って使い切る決意が尊重される社会が作られないと暮らしにくいと思うのです。市民社会の正義の確立と支援の仕組みを被災地から作りたいと、私は震災後の9月から岩手県では「山田町ゾンタハウス」という若者支援を始めています。危機的状況にある子どもの権利の実現の取り組みとしては被災地での子ども支援の取り組みは希望です。皆さんの活動とつながっていくと大きな力になるのではないかと思います。よろしくお願いします。
八幡悦子(NPO法人 ハーティ仙台代表理事)
「インクルいわて」活動開始おめでとうございます。
その情熱と行動力に感服します。期待しています。
ハーティ仙台(DV・性暴力被害者支援)
山田治彦(弁護士、大阪弁護士会)
NPO法人インクルいわての設立及び今回のシンポジウム「ひとり親家族支援を考える」の開催、まことにおめでとうございます。生活困窮者ひとりひとりに対し、それぞれの事情に対応した適切な支援が求められている中で、被災地でもある岩手県内で、ひとり親世帯への支援という困難なテーマに取り組まれることに対し、心より敬意を表します。今後の活動に期待しています。
湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)
インクルいわての設立記念シンポジウムの開催、おめでとうございます。今日は前々から用事が入っており、うかがうことができません。大変申し訳ありません。ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)の理念が、今ほど必要とされている時期はないと思います。そこには、高度経済成長期以来の日本の長い歴史的経緯がありますが、特に女性たちはその必要性を長く主張され、しかしながら排除され続けてきました。90年代以降のグローバル化の中で、そこに男性たちが続きました。それは女性たちを放置してきた結果であり、また、高度経済成長期モデルからの抜本的な転換を図ってこられなかったことの結果でした。「ごく一部の人たちの話」と軽く見ていたのが、いつの間にか日本社会の屋台骨を揺るがすに至っていたというのが、この数十年間の日本の経験でした。したがって私たちは、それとは逆に、「ごく一部の人たちの話」と軽視することなく、一人ひとりの暮らしを支えることから社会の転換を図る必要があると思います。被災地・岩手は、それにきわめてふさわしい場所でもあります。インクルいわてが、岩手を通じて日本社会の復興に重要な役割を果たしていただくことを期待します。
湯澤直美(立教大学)
「誰もが」「誰をも」侵害しない社会。
「誰もが」「誰をも」抑圧しない社会。
「誰もが」「誰をも」排除しない社会。
そのような社会を当たり前のものにするには、家族の在り方がひとつの試金石になる。残念ながら、日本の家族制度は人々を包摂する社会的な仕組みにはいまだなっていない。
OECD加盟国のなかでワースト1の日本のひとり親世帯の子どもの貧困率の高さは、日本社会の課題や矛盾の映し鏡でもある。だからこそ、ひとり親家族とともに歩むことは私たちみんなの暮らしを考えることになる。
インクルいわての誕生に勇気をいただきました。
3・11という過酷な現実から生み出される未来への希望に向けて、ともに歩いていきましょう。
ゆのまえ知子
(サポートグループ・ファシリテーター/
東日本大震災女性支援ネットワーク運営委員/北京JAC事務局長)
本日のシンポジウム「ひとり親家族支援を考える」開催をお祝い申し上げます。盛りだくさんで、しかも内容的にも充実していて素晴らしいシンポが、岩手で開催されることに心からのエールをお送りします。
私は、個人的にはDVを経験した女性たちが、その経験を安全・安心な場で互いに話し合う中で、自分の持っている力に気づけるような手助けをするサポートグループに関わっています。シングルマザーの方が多いのですが、ひとり親家庭であることのさまざま悩みに耳を傾ける機会でもあります。しんぐるまざーず・ふぉーらむへの紹介もしながら、仲間がいると女性たちが元気になっていく姿にも接しています。
同じような経験をしながら、個別の体験の意味に気づき確認していくこと大切さ、それが仲間あってこその支え合いでもあることの大切さもひしひしと感じさせられています。
岩手でシングルマザーの皆さん、とりわけ震災で被災した方がたを支える「インクルいわて」のような会が発足し活動されていることに心からの敬意を表します。
最近の原発再稼働や、弱い立場の人々への対処なしの消費税値上げ、進まない子ども政策や男女平等政策など鬱々としたくなる状況の中で、皆さまの、支え合いと前に進もうという会が開催されることに、一筋の希望も見い出し力づけられています。ご盛会を願っております。
吉岡和弘(弁護士、仙台市)
「ひとり親」という概念をことさら問題にしなければならない社会それ自体が問題です。
一人ひとりが基本的人権を享受し、真に自由で平等な社会で人間らしい生活が送れる環境を構築する一助となる活躍に期待します。
吉中季子(名寄市立大学)
女性や子どもの問題は昔からあった問題で、だからこそ「見えてこない」のか「見ようとしない」のか、時代を経てもいまだに可視化されにくいように思います。一人ひとりが、ひとと寄り添い、紡ぎあえる地域社会でありますように、ご活動に陰ながら応援させていただきます。
和気邦夫(関西学院大学総合政策学部客員教授、
元国連人口基金事務局次長、元ユニセフ上級職員)
「ひとり親家族支援」に勇敢に取り組もうとしている「インクルいわて」に心からの声援を送りたいと思います。世界中で貧困の連鎖はひとり親家族を通して何代にも続いています。それを断ち切るにはデンマークのように社会が総括的な支援を親と子どもに差し伸べる必要があります。そのような政策と制度に乏しい日本ではNGOがそのギャップを埋める必要があります。これから離婚率は上がり続けることが予測されています。今こそそのための良いモデルを作ってください。
政策や制度を変えるには人々の意識改革が必要です。地元の政治家、ジャーナリスト、福祉、保健、教育行政、市民グループを動員して力のある運動を展開していく必要があります。一人の母親、父親に思う存分働いて社会に貢献しもらい、その子どもたちには十分な教育機会が与えられることが大切です。そのために日本政府も批准した「子どもの権利条約」が守られているかをしっかり見守ることも必要です。岩手から日本中に新しい運動が広がることを期待しています。私だけでなくOxfam Japan やプライス・ウォーターハウス・クーパー社もそんなことをみなさまの活動から期待していると思います。
渡辺照子(働く女性の全国センター会員・女性労働問題研究会会員)
「インクルいわて」立ち上げ、法人化、誠におめでとうございます!
皆さまの掲げる目的は、シングルマザーのみならず、誰もが生きていくのに必要なことばかりです。
私は人生の半分以上をシングルマザーとして生きてきました。シングルマザーは経済的逼迫状況にあるだけではなく、社会からの差別・偏見とも闘い、また「ひとり親であることで、自分の子どもに辛い思いをさせているのではないか。十分に愛情を注ぐことができないのではないか。」という自らの罪悪感とも闘うことを余儀なくされてきました。
しかし、シングルマザーは多様な家族形態のひとつでもあります。「父親がいないかわいそうな家庭」なのではなく、「母親とこどもがいる家庭」なのです。
シングルマザーはがんばっています。様々な仕事をし、子育てをし、1人で何役もこなしています。苦労もありますが、シングルマザーでなければ経験できないこと、気づかないこと、がたくさんあります。それがシングルマザーの誇るべき財産です。
シングルマザーと子どもの置かれている状況は年々厳しくなっています。その中での船出は向かい風に立ち向かうことになりましょう。向かい風すら糧にし、荒波に漕ぎ出す皆さんを私は心強く誇らしく思います。遠からず、皆さんと一緒に取り組む日が来ることを確信しております。
~Thank you for the message~
シンポジウム開催を機に、全国の方々からメッセージをいただきました。
(主に岩手県外・シンポジウム協力のみなさま方)
いわてのひとり親家族のみなさんとインクルメンバーにとって、岩手から遠く離れていても応援してくださる方々の存在は何よりの支えとなります。
今後の活動の糧となる言葉の数々、心から感謝いたしております。
掲載可能なメッセージを50音順(敬称略)に紹介させていただきます。
匿名、掲載を希望されない方々からいただいた温かいメッセージも大切にしております。
ひとつひとつのメッセージを胸に歩んでいきます。
皆様、本当にありがとうございました!
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お名前の順にご紹介いたします。(な~ほ)
永井愛(劇作家・演出家、二兎社主宰)
被災地でのシングルマザーの困難は、もっとクローズアップされなければならないと思います。皆さんの活動に敬意を払い、心より応援致します。
中囿桐代(北海学園大学経済学部教授)
インクルいわて、まずは結成おめでとうございます。大震災から1年3ヶ月が過ぎましたが、現地でのご苦労はまだまだ続いていることと思います。私も昨年のお盆明けに仕事で東北(仙台、山形、盛岡、宮古)に行きました。宮古に行った日は晴天で海も凪いでいて、とても海がきれいで、半年前に津波の猛威を見せつけられたのがウソのようでした。人間の無力さを改めて感じました。しかしながら<社会>は私たちの手で作るものです。被災した方、そしてひとり親の家庭のみなさんが抱えている負担を少しでも軽くする方向を模索しなければなりません。そして全ての子どもが元気に楽しく暮らせるような地域を再興しなければなりません。そのために少しでも皆さんとともに私ができることをしていきたいと思っています。北海道からできることがあれば気軽に声をかけてください。
中村裕子(原プレスドフラワー教室)
シンポジウムの開催、心よりお祝い申し上げます。お話を伺いながら、何か私でも出来ないかとは思いながら、もどかしく思うばかりですが、遠く離れた九州からですが心を寄せております。ご活躍をお祈り申し上げます。
萩原久美子(東京大学社会科学研究所)
「つながり」「つどい」「ささえあう」
それは、震災をへて岩手で暮らす人々の心の底から響きあうようにして生み出された祈りの言葉だ。
インクル岩手はこの土地で命と暮らしを紡ぎだすワークに挑戦する。
心からエールを送りたい。
橋本ヒロ子(十文字学園女子大学)
インクルいわての発足おめでとうございます。
ひとり親家庭、とりわけ子どもが幼い場合は、平常時でもいろいろな場面で困ることが多いのです。しかし、災害時及びその後のご苦労はひとり親家庭以外の方には中々理解していただけません。インクルいわてが、ひとり親家庭だけでなく、社会的に取り残されやすい人々を包摂・支援し、一人一人が住みやすい岩手になるように祈念します。
原恵子(社会保険労務士、原恵子社会保険労務士事務所所長)
私も一人親経験者です。成長した2人の子は私を立派に支えてくれています。親の愛情を正しく伝えればきっと大丈夫です。
原ミナ汰(共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク)
「インクル」ってかわいくて、とても親しみやすい響きですね。そしてその背後に、皆様の並々ならぬ決意を感じます。
「ひとり親」であり、セクシュアル・マイノリティでもある自分としては、貴会の活動をとても頼もしく思い、このひとり親支援の動きが、被災地から全国に広がっていくよう応援しています。
原田早記(株式会社キャリア・リード)
私は母子家庭で育ちました。私が仕事をする様になると、母と色んな話をする様になり、昔苦労していた事、辛かった事を知りました。そうだったのか。と、初めて知る当時の母の気持ち。それを気付かせない母のポジティブさに私は守られて来たのだと感謝の思いで一杯です。親の一喜一憂に子供は敏感です。子供が「片親だから」と思うのか、「片親でも」と思うのかは親にかかっていると言っても過言ではないと思っています。そんな、子供の未来を一人で担うお母さんが明るく生活できる様に、インクルいわての大きな力で支えてください!
弘中照美(NPO法人多重債務による自死をなくす会コアセンター・コスモス)
この度、ひとり親家族支援のため、インクルいわてを設立されたこと、おめでとうございます。当会では、震災遺族の方々のための電話相談を行っております。また色々とご協力させて頂ければ幸甚です。
藤澤昇(児童養護施設みちのくみどり学園園長、岩手ふつうの会代表)
包摂と言う言葉は一般に馴染みがないが「一人親家族支援」と意義付けられるとその意味に何となくイメージがわいてくる。それが「インクルいわて」となるとこの岩手に何か良いことが起きそうな気がする。
私が関わる児童養護施設では、64%が一人親家族である。その前後の私が経験する要因連鎖に DV、離婚、親の精神疾患があり、その連鎖は社会的養護が必要な子どもの虐待、施設入所と続く。初発要因の親の低学力は子どもから見れば、三世代前からの貧困や虐待の連鎖が想像される。そして、今回の大震災による一人親家族はこの私たちが経験した社会的養護の必要な要因の何処かに落下したことが予想される。「社会的包摂」の理念が人の英知として地域に定着する絶好の機会なのかもしれない。
藤原里佐(北星短大)
短大の女性福祉論という講義で、今、母子世帯のことをテーマにしています。母子世帯で育つ子どもは未成年の7.5%という比率が示す通り、成人直前の学生の中にも「当事者」が一定程度含まれています。そして、当事者としての声を上げてくれる学生も少なくありません。その内容は、母親の選択に対する肯定的な声であり、自身の育ちに対する誇りともいうべき感情です。
母親ひとりによる子育ての大変さを慮りつつも、家庭への愛着心と、一人の若い女性としての母親へのエールが込められているように思います。ひとり親家族が普通に生活するための、合理的な配慮と支援を追究することを、札幌の地より応援しています。
古山大介(株式会社キャリア・リード)
東日本大震災は、日常自然に親しむ者として、裏切られ、心打ちのめされた出来事でした。被災地では、想像を絶する悲しみや苦しみ、そして困難があり、今も多くの方がその中にいらっしゃることと思います。その中で、インクルいわての設立は闇夜を照らす一筋の光明となり、その活動は、多くの方が待ち望む支援となるものと確信しております。インクルいわての皆様の今後のご活躍を心より祈念し、応援メッセージとさせていただきます。
~Thank you for the message~
シンポジウム開催を機に、全国の方々からメッセージをいただきました。
(主に岩手県外・シンポジウム協力のみなさま方)
いわてのひとり親家族のみなさんとインクルメンバーにとって、岩手から遠く離れていても応援してくださる方々の存在は何よりの支えとなります。
今後の活動の糧となる言葉の数々、心から感謝いたしております。
掲載可能なメッセージを50音順(敬称略)に紹介させていただきます。
匿名、掲載を希望されない方々からいただいた温かいメッセージも大切にしております。
ひとつひとつのメッセージを胸に歩んでいきます。
皆様、本当にありがとうございました!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お名前順にご紹介いたします。(さ~と)
斎藤万里子(ジェンダー・アクション・プラットフォーム プログラム担当)
「NPO法人インクルいわて」の誕生を心からの敬意とともにお祝い申し上げます。 東日本大震災は地域を崩壊させただけではなく、この社会が未解決のまま抱えていた課題をあぶりだしました。ジェンダーの不平等、暴力と貧困、社会的包摂システムの脆弱性は、その最たるものです。当事者の力こそが世の中を創り変えていく希望です。 困難を切り拓く女性や子どもたちに寄り添うインクルいわてのご活躍に期待しております。また、皆様の取り組みが、地域社会の希望となり、さらに希望の和が全国に広がっていくことを祈念しております。
佐々木貴司(株式会社アイビーエス)
なんて、『すばらしい活動をされているのだろう』と感動しました。佐藤有里子さんとの出会いから、【インクルいわて】の皆様の活動を聞かせていただきました。私も岩手県の出身者で、岩手をこよなく愛するひとりです。このすばらしい活動も出会いから知りえたことで、ひとつひとつ、一人一人が繋がる出会いの大切さ、尊さを改めて実感しました。人には2つの『手』があるのは、きっとひとつの手で誰かと繋がって、もうひとつの手でまた誰かと繋がるためにあるんだなと、そしていつしか最初は1人でも、手と手をつないでいくといつの間にか大きな大きな『和』ができるんだなと、改めて当たり前のことですが、強く感じさせていただくきっかけ(出会い)になりました。
本当に、一人のできることは小さくとも、その小さくともできることを『動き』続けることを大切にしていきたいと思います。インクルいわての『和』がこれから大きな大きな『和』になっていくことを心から願ってささやかですが、これからも応援させていただきます!
佐々木妙月(情報の輪サービス株式会社 代表取締役)
今から、27年前です。シングルである私自身の再就職がなかなか決まらず苦しんだ経験が、女性の就労支援事業のスタートでした。その間、山あり谷ありの事業というより活動でしたが、バブルがはじけた後も、リーマンショック後も、女性たちの労働市場はますます劣悪な状態に追いやられました。シングル女性の働く場の厳しさを日々実感する中、シングルマザーへの社会の冷たさは絶望的でした。ならば、やはり創るしかないじゃない! シングルもシングルマザーも時代に翻弄されないで、ともに楽しく働く場づくりを大阪で頑張ります。私にできることがあれば使ってくださいね。絶望を希望に!心から応援しています。
佐藤正人(株式会社カネボウ化粧品)
6月15日~16日開催の「インクルフェア」は、インクルいわての皆さんの思いが、多くの方に届いた2日間だったと思います。私どもカネボウ化粧品は、直接的なご支援やお役立ちとはなりませんでしたが、化粧や美容というテーマで、人と人、人と情報をつなぐ「インクルフェア」の案内役としての役割は少し果たせたのではないかと感じています。インクルいわてが目指す「手をつないで支援が必要な人を支えるチーム」の一員として、今後も何かのお役に立てればと思います。これからも多くの仲間と共に、さらに大きなチームなることを期待しています。
佐藤有里子(株式会社キャリア・リード)
この度は、シンポジウム開催、本当におめでとうございます。今からのスタートに、大きな点を打たれ、心がこもった活動に遠方ですができること、協力したいと強く思っています。被災者の方々、また、ひとり親の支援などの大きな課題に立ち上がられ、愛情溢れる皆様がこれから、お一人お一人に取り組まれその方々の人生の大きな出会いや人生のターニングポイントとなり再起される方々が出てこられると思うと胸が一杯になります。愛は生きる力です!女性の愛は無限大。これからのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
塩安九十九(新設Cチーム企画)
LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字を取ったもので、えるじーびーてぃーと読みます。
同性愛や両性愛、性別を変えて生きる人をまとめてこう呼ぶようになってきました。
実は、LGBTであっても様々な事情で結婚し、こどもを持ち、離婚などでひとり親になる場合があります。また結婚してから何年も後になって自分がLGBTであることに気付く人もいます。またそういった親同士が付き合うようになってお母さんが2人の家になったり、お父さんが2人の家になることもあります。あるいは、お父さんがだんだんお母さんになって離婚となることもあれば、お母さんが男になって女の人といっしょになることもあります。あるいは、恋愛関係ではなく友人との子育てを選択する人(法的にはひとり親)もいます。
ひとり親に対するレッテル貼りやプレッシャーが厳しい世の中で、ひとり親同士が集う時その世間が持っている前提や圧力をふたたび繰り返してしまわないことを私は願います。結婚していたのだから異性が好きなはずだ、子どもがいるのだから女(母親)らしさ、男(父親)らしくするべきだなど異性愛や「らしさ」を前提にすることを窮屈に感じる人もいることを覚えておいてほしいと思います。様々な事情や立場があることが前提になれば、きっと誰にとっても肯定感を得られる、居心地のよい場になるのではないかと思います。そんな多様性のある繋がりの中で育つことができる子どもたちは、生物学的な親が揃っていなくてもきっと豊かに生きられると思います。貴会の益々のご活躍を心から応援しております。
柴田武男(聖学院大学教授)
岩手といえば宮沢賢治。宮沢賢治といえば童話。
すべての童話が素敵ですが、何か物悲しい。物悲しさを
感じるのは私だけでしょうか。
『グスコーブドリの伝記』の自己犠牲。美しくも悲しい結末。
心にしみるのは、
『銀河鉄道の夜』のカムパネルラの言葉。
「ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸になるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸なんだろう。」カムパネルラは、なんだか、泣きだしたいのを、一生けん命こらえているようでした。
あまりに悲しい、悲しいほどの優しさに心打たれます。
私は高金利の被害者救済の運動に参加しています。そして、戦い続けるとシンポのたびに決議しています。でも私たちの戦う武器は何でしょうか。法律知識、法律上の弁護士とか司法書士とかの資格、確かにあったほうが良いでしょう。団結力、勤勉さ、まじめさ、それも不可欠です。でも、それらすべてをひっくるめて、私たちの本当の武器は優しさではないでしょうか。虐げられた人々、弱者への優しさ、眼差しこそ私たちの真の武器なのではないでしょうか。それは私たちが強者で上から弱者を助けてやるという視線ではありません。同じ弱さを持つ、欠点だらけの人間として、人の弱さと脆さを自分自身で知り抜いているからこその眼差しです。
宮沢賢治の童話は優しさに溢れていますが、同時に、貧しい農村の厳しい生活状況に絶望し、やりきれない悲しさにも満ちています。でも、彼はほんの一筋の希望を支えに童話を書き続けました。
どうせ世の中変わりはしないよと絶望しながらも、もしかしたら少しは変わるのではないかという一筋の希望を捨て去ることはできません。それが優しさではないのでしょうか。
インクルいわてのホームページには優しさが満ちてます。いったいどんなことが、いちばんの幸なんだろう、という宮沢賢治の問いに答えているようです。優しさこそ、人に優しくできることが一番の幸せなんでしょうと。
追伸 宮沢賢治から書き出しました。唐突だと思われましょうが、私はインクルいわてという名称に賢治を感じたのです。賢治はこう書いてます。
「イーハトヴとは一つの地名である。強て、その地点を求むるならば、大小クラウスたちの耕していた、野原や、少女アリスが辿った鏡の国と同じ世界の中、テパーンタール砂漠の遥かな北東、イヴン王国の遠い東と考えられる。実にこれは、著者の心象中に、この様な状景をもって実在したドリームランドとしての日本岩手県である。」
そして、いはてがイーハトヴになりました。
Social Inclusion は 社会的包摂 と訳されて使われてきています。でも、包摂て日常使う言葉でしょうか。何か硬い学術用語のようです。親しみを持ちにくい言葉です。
インクル 可愛らしい、親しみの持てる表現です。賢治の心の中で岩手がイーハトヴになりました。そして、Social Inclusion という硬い言葉は インクルという愛らしい呼び方になりま した。ここに私は賢治のDNAを感じて、思わず童話から応援メッセージをはじめました。
清水康之(NPO法人ライフリンク代表)
「名は体を表す」と言いますが、人の温もりを感じさせるとても素敵なお名前ですね。「ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)」という、聞きなれない、しかしこれからの日本社会にとって非常に重要な概念を真正面から捉え、それにやわらかい響きを与えている。「インクルいわて」の活動そのものが、難題をやさしさで包み込むようなものになっていくことを予感しています。ともに活動できるのを心待ちにしています!
白波瀬佐和子(東京大学)
いま、こうして生きていることを大切にかみしめながら、これからを歩んで行ってほしいと思います。あなた方がこうして今そこにいることが、かけがえのないことなのですから。悲しい想いの分だけ、涙の分だけ星が増えていきます。その星はよくよくみると、あなただけでなくていろんな人たちのものがあります。そのうち、沢山の星が集まって大きな光の珠になって、私たちの背中を押してくれます。そんな光の珠を作る力添えとなってくれる「インクルいわて」を応援します。
新川明日菜(NPOアンファンパレット)
設立おめでとうございます。私たちのグループのメンバーの多くは、ひとり親家庭で育ちました。大変な経済状況、精神状況の中でがんばる親を見ながら、子どもは自分もがんばろうとがんばりすぎてしまうこともあります。ひとり親家庭でも親子が幸せに暮らせるように、「インクルいわて」の活動に期待するとともに応援しております。
新川てるえ(NPO法人Wink理事長)
NPO法人設立おめでとうございます。地域に根差した支援活動はきっと多くのシングルマザーの力になることと思います。NPOの運営はなかなか苦労も多いけれど、継続は力です。あきらめずに根強く頑張ってください。心から応援しています。
新保美香(明治学院大学)
「支えあい みなに広がる 可能性 インクルいわて ともに歩もう」
末延輪美(株式会社キャリア・リード)
インクルいわての設立趣旨に共感致しました。福岡から応援しています!
杉田真衣(金沢大学)
震災によっていっそう困難な状況に置かれているひとり親世帯の方々も、震災の影響でひとり親世帯となられた方々もいるというように、様々な違いがあるなかで、どのような立場にある方でも安心できるように活動されていて、敬意を抱いております。ご活動から学ばせていただきたいですし、遠方にいてもできることはさせていただきます。
鈴木えみ子(「シングルマザーのWindys(ウィンディズ) Clib(クラブ)」代表・ファシリテーター)
「祝 ♡ 隣県岩手に、シングルマザーの味方!」
私たち「シングルマザーのWindys(ウィンディズ) Clib(クラブ)」は、2000年に「エル・パーク仙台」(仙台男女共同参画財団)での講座を機会に発足したグループです。
シングルマザーとしての生活の中で、孤独な気持ちや子育ての不安など、1人で悩んでいる人がいます。また、シングルを選択した過程で傷付いた体験や、今も「生きにくさ」を抱えたままの人がいます。そんな方々が月に1回集まって気持ちを話し聴くことで、自分を見つめ直し、支え合う仲間としてつながってきました。特ににこの震災の後、寄る辺ない感情を閉じ込めておくのは辛いことと思います。幸い私たちは、ウィメンズカウンセリングのスタッフや託児グループの皆さんに支えてもらいながら、仙台での語り合いを続けてきました。
今回、隣の岩手県で一人親支援のNPOが活動を開始したとお聞きし、大変心強く、拍手喝采を送ります。社会的には未だに母子世帯への差別が蔓延し、周囲からの理解としても経済的にも困難を強いられているシングル女性たちと、つながり支え合っていきましょう。
これからが楽しみです。どうぞよろしくお願いします。
高橋俊之(厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長)
ひとり親は、子育てと生計の維持を一人で担わなければならず、様々な困難を抱えているため、きめ細かな支援が必要です。国と地方自治体でも、ひとり親家庭に対して、子育て、生活支援、就業支援、経済的支援等に総合的に取り組み、子どもの健やかな育ちの支援に努めておりますが、地域に根ざした民間団体の活動は、とても重要です。
東日本大震災では、多くの子どもたちが親をなくしました。こうした中で、ひとり親家庭のための団体を立ち上げ、寄り添いながら支援する活動は、誠に心強いものです。
「NPO法人インクルいわて」の活動に、ご期待を申し上げます。
竹信三恵子(ジャーナリスト、和光大学教授、東日本大震災女性支援ネットワーク共同代表)
貧困は、見えないままにしておくとものすごい勢いで広がっていき、いつかは社会全体をも食いつくしてしまいます。震災で声の小さな存在がますます見えなくなりつつあるいま、一人親世帯からの発信は、社会全体の貧困を食い止めるためのきわめて重要なカギです。その意味で、今回のシンポジウムのご成功と貴会のご活躍を心からお祈りしています。
田中文子(社団法人子ども情報研究センター所長)
「つながり、つどい、支えあい」・・・今、もっとも求められていることだと思います。2人親が当たり前で成り立つ社会の中で、ひとり親家庭が生きる道は矛盾に満ち満ちています。でも、それは、社会を変える源泉でもあるかと。ひとりで抱え込まないで、みんなで解決していく道筋のなかに、だれもが安心して生きることができる社会が見えてくると思います。岩手が近しくなりました。
田端八重子(NPO法人参画プランニング・いわて)
「NPO法人インクルいわて」の設立まことにおめでとうございます。そして、創設時から建設的で精力的なご活躍に心からの敬意を表します。シングルマザーのおかれている状況は、いつの時代も何ら変わらず、生活環境は、ますます悪化の一途と思われます。岩手県内初の団体設立は、さまざまな状況下にあるシングルマザーたちにとって、安全な心のよりどころとなることでしょう。ますますのご発展を祈念いたしております。
田間泰子(大阪府立大学)
このたびは、岩手という地でインクルの立ち上げ、おめでとうございます。私は奈良県在住で、妊娠・出産や母子のことをずっと考えてきました。シングルマザーが置かれている状況は、子どもを産み育てることを社会がどう考えているかを表すものだと思います。今の日本はひどいです。でも、私たちにはそれを変える力があることを信じています。遠くからですが応援することによって、私も力をいただきました。ありがとう!
丹波史紀(福島大学准教授)
インクルいわての設立、そしてシンポジウムの開催おめでとうございます。当日参加させていただきたかったのですが、出張が入っており叶わず残念です。ひとり親家族の貧困と社会的自立をテーマとして研究をささやかながらしてきた者として、こうした地域における積極的な取り組みがなされていることに心強い気持ちになります。昨年の震災により、個人や家族に様々な困難を降り注ぎましたが、社会的に包み込める社会の実現が復興への一歩と言えます。ぜひ今後も精力的な活動によって多くの方々を励ましていただけることを願っています。
土井真知(内閣府男女共同参画局調査課)
平成24年版男女共同参画白書において、東日本大震災の経験を踏まえ、「男女共同参画の視点からの防災・復興」を特集しました。「声を出しにくい人々、あるいは声を出してもその声が届きにくい人々に配慮し、誰をも排除しない包摂型の社会づくりを行っていくことは、災害による影響を受けやすい脆弱な人々の社会的排除のリスクを低減することにつながる」「男女共同参画社会の実現は、災害に強い社会づくりでもある」とまとめています。社会的包摂を理念とする「インクルいわて」の活動は、今、まさに必要とされている取組です。心より応援しております。
~Thank you for the message~
シンポジウム開催を機に、全国の方々からメッセージをいただきました。
(主に岩手県外・シンポジウム協力のみなさま方)
いわてのひとり親家族のみなさんとインクルメンバーにとって、岩手から遠く離れていても応援してくださる方々の存在は何よりの支えとなります。
今後の活動の糧となる言葉の数々、心から感謝いたしております。
掲載可能なメッセージを50音順(敬称略)に紹介させていただきます。
匿名、掲載を希望されない方々からいただいた温かいメッセージも大切にしております。
ひとつひとつのメッセージを胸に歩んでいきます。
皆様、本当にありがとうございました!
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お名前順にご紹介いたします。(か~こ)
葛西リサ(大阪市立大学都市研究プラザ)
東日本大震災による被害、そして、復興のさなか、このような、すばらしい会が立ち上がったことを、とても嬉しく思います。
私は、ひとり親の住生活に関する研究をおこなってきましたが、学生時代に神戸で過ごしたということもあり、「阪神淡路大震災と母子世帯の被害、生活復興」と題して調査を実施した経験があります。但し、このテーマに着手したのは、震災から13年後のことですが・・・。阪神淡路の特徴は、住宅被害が大きかった点であり、老朽した住宅が軒並み被災しました。私は、「経済的に困窮する母子世帯の住宅事情は、非常に脆弱であり、その関係から、彼女らの住宅被害は、より甚大だったのではないか?」という仮説をたてました。しかし、驚くべきことに、ひとり親と住宅被害、生活復興に関する調査データはほとんど実施されておらず調査は難航しました。唯一、とある市の母子相談員が記録のために集計したデータが残されていたのですが、その内容は、やはり、母子世帯の住宅被害は、一般世帯はもとより、生活保護世帯よりも深刻だったというものでした。また、大きな住宅被害を受けていても、避難所や仮設住宅を利用していないひとり親が多かったというデータも発見されました。当時被災した母子世帯に聞き取りしたところ「生活のために、働き続けなければならないが、避難所に子を置いていくことはできなかった」や、「入居可能な仮設住宅の場所が遠隔地にあり入居を断念した。仕事に不便で、子どもを転校させることは避けたかった。」などというニーズが支援策と合致せず、結局は、何の支援も得られなかったという声が挙がりました。但し、当時、そういったひとり親のニーズは支援に全く反映されませんでした。
災害後の生活復興には、あらゆる世帯のニーズが反映されるべきであり、そのためには、やはり、それぞれの声を可視化し、それを訴えていく必要があると考えます。そういった意味においても、被災ひとり親により沿い、そして、支援活動を実践される、インクル岩手の活動は、貴重であるといえます。今後、ますますのご活躍を期待しております。
加藤伊都子(フェミニストカウンセリング堺)
シンポジウム「ひとり親家族支援を考える」開催おめでとうございます。
「家族のカタチにかかわらず、誰もが生き生きと暮らしていける包摂された社会(Inclusive Society)の実現に向けて」という活動の目的に心から賛同いたします。
河上正二(内閣府消費者委員会委員長・東京大学教授)
「『インクルいわて』の立ち上げに期待する」
先日、理事長の山屋氏から「NPO法人インクルいわて」を立ち上げるという連絡をいただいた。聞けば、様々な生活弱者を総合的・包括的に支援するための中核機関となることを目指しているという。山屋氏は、かつて消費生活相談員であった頃に、仙台で私が主催していた消費者法問題研究会に、熱心に通っていた人で、いわば「教え子」に当たる。いうまでもなく、消費者問題は裾野が広く、生活の安全・安心を基本にしながら、商品の安全・表示・契約適正化など、法制度面の問題のみならず、実際に被害に遭われた方々に対する支援のために、様々なスキルが求められる。しかし、そのようなスキルを駆使しても、「消費者問題」としてセンターなどで扱えるものは、相談者の生活の一側面でしかないという限界があることは、相談現場にいる者であれば、誰しも痛感しているところであろう。
たとえば、高齢者が投資詐欺にあったり、多重債務者が悪質な貸金業者に追い詰められているといった問題に対して、かりにうまく契約を解除したり、支払金の一部を取り戻すといったことが可能であったとしても、その後の、高齢者や多重債務者の安全・安心な生活が維持されるとは限らない。結局、福祉その他の関連部局との連携をとりながら、何とか次の一歩を踏み出せるところまで、つきそってあげることができなければ、問題の根本的な解決にはつながらない。しかし、それにはあまりにも多くのマンパワーが必要になる。問題をトータルに捉えることの必要性は分かっていても、なかなか手が出せないでいるのが現実である。
しかし、今日の著しい格差社会にあって、社会的貧困層や生活弱者が増え、高齢化の進むところで、互いに見守り合うことの重要性はますます高まっている。そして、このことを何より痛感させたのが東日本大震災でもあった。地震は、誰の足下も平等に揺らすが、被害は、弱者のところに反比例的に大きく発生し、ときに、生活弱者が立ち上がれないところまで追い詰めるからである。
そんな現場を見続けてきた山屋氏が、なんとか総合的支援・包括的支援を実現できないかとの熱意を持って、「インクルいわて」の活動を開始し、数多くの専門家とも連携しながら、取り組みを開始したことに対し、心からの敬意と声援を送りたい。いうまでもなく、前途は容易ではないと思われる。人ひとりの人生の重みを考えると、他者による「支援」には限界があるからである。しかし、差別や貧困、生活困難などに悩み、押しつぶされそうになっている人を、一人でも多く助け起こして、次の一歩が踏み出せるところまででも支えることができればとの思いは尊い。
これから「インクルいわて」の活動に、大いに期待したい。
神原文子(神戸学院大学教員、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西)
このたびは、NPO法人インクルいわてを設立されましたことに、関西の地で、ささやかながら同じような活動しているひとりとして、心よりエールを送らせていただきます。
昨年の東日本大震災以前から「子づれシングル」として子どもさんと生活しておられた方々だけではなく、大震災により、子どもを亡くされた親御さん、保護者を亡くされた子どもさん、また、震災後に離婚して「子づれシングル」になられた方々など、支援を必要とされておられる方々の思いやニーズを受け止め、立ち上がり、行動を起こされたことに、感動し、敬意を表したいと思います。
私は、シングルマザーもシングルファーザーもあわせて、「子どものいるシングルの生活者」という意味で、「子づれシングル」と呼んでいます。東日本大震災の経験は、私自身にとりましても、子づれシングルと子どもたちへの支援のあり方を、原点に立ち返って再検討する機会となりました。
わが国の子づれシングルの多くは、日常生活において様々な困難や悩みを抱えています。たとえば、①半数以上が非正規雇用であり、母子世帯の年収は全世帯の4割にも充たないこと、②子育ての悩み、賃貸住宅の家賃の高さ、職場や地域における関係の悩みなどの複合的な生活困難を、ひとりで抱えていること、③親族や近隣などで援助を頼める人がいるとは限らないこと、また、④差別や偏見を受けることが少なくないこと、などです。にもかかわらず、わが国では、このような現状に対して、積極的な解決策が講じられないまま、なかば放置されています。子づれシングルと子どもたちが、「社会的に排除されている」といえます。
社会的に排除されているシングルマザーと子どもたちにとって、目指すべき解決策は、「社会的に包摂される」仕組みを構築することだと考えます(「インクル」という名称、素敵です)。
具体的には、①健康で文化的な最低限の生活費の保障、②必要な生活費を確保することと子育てを両立できること、③必要な情報や人的サービスに容易にアクセスできること、④多様な家族や多様な生き方に対する差別や偏見を撤廃する法整備、などです。
当然と思えることがらを列挙しているだけですが、実現までの道のりはまだまだ遠そうです。でも、地道な支援の取り組みが、きっと実を結ぶと信じています。
実現に向けての課題を列挙したいと思います。
①転居して間がないなど、地域とのつながりが希薄な子づれシングルと子どもたちのところに、生活に必要な情報が確実に届くような手だてがほしい。
②子づれシングルの多くは、日常的に仕事と子育てで非常に忙しく余裕もないことから、困ったことがあっても声を上げることができない場合が少なくない。地域の人々には、子づれシングルとも子どもたちとも、気軽に声をかけあえる関係づくりを期待したい。
③行政と協力しながら、地域のなかで助け合いネットワークを立ち上げ、そのなかに、子づれシングルと子どもたちを組み込んで欲しい。
④平時でもさまざまな生活困難を抱えている子づれシングルが、被災により、さらに、生活が困難になっているにちがいない。生活再建への十分な支援を期待したい。
⑤災害によって、配偶者を亡くし、子づれシングルとなった方々と子どもたちに、物心両面の十分なサポートを期待したい。
⑥子づれシングルへの支援策とは別に、子どもたちへのダイレクトな支援策を期待したい。
⑦DVから離婚した子づれシングルと子どもたちが、避難先で元夫と出会ったり、二次被害に遭ったりすることがないように、また、新たな性暴力被害を受けることがないように、性暴力被害者の保護と性暴力の予防に配慮した支援策を期待したい。
⑧東日本大震災の被災経験を、今後の防災対策に活かしてほしい。たとえば、親ひとりで、幼児ふたりを抱えてどのように避難するのか、生活資金が乏しく、住まいは倒壊し、職をなくした子づれシングルが、いかに生活の立て直しをはかるのか、などなど。
子づれシングルと子どもたちへの支援のみならず、支援者や支援団体を支援する裾野の広いネットワークが重要であると実感しています。そして、支援者、支援団体同士のネットワークもとても重要ですね。一個人として、当事者支援の団体に関わる立場としても、ともにつながりながら、支援者支援のネットワークを広げていけるといいですね。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
禧久孝一(奄美市)
「インクルいわて」の設立、並びに本日のシンポジウムの開催を心からお祝い申し上げます。私自身、母と二人の母子世帯でしたので「ひとり親世帯」のご苦労は理解できるつもりでいます。特に、格差の拡大に加え昨年の東日本大震災により、東北の「ひとり親世帯」を取り巻く環境がますます厳しくなっていることを考えると胸が締め付けられる思いでいます。
複数の問題を抱えながら誰にも相談できず一人で悩んでいる方も「今日よりいい明日がある」と思えたら生きていけます。そして、そのような日々を過ごし続けることが「生き続ける」ということであり、そのためには誰かが寄り添うことが必要です。「インクルいわて」が東北の「ひとり親世帯」に寄り添い、一人でも多くの方に「今日よりいい明日がある」という一筋の光を見いだせるような活動をなされることを心から願っています。
私たち一人一人は微力ですが無力ではありません。今日のシンポジウムが東北の「ひとり親世帯支援」のスタートとなり、皆様の活動が広がっていきますよう奄美から祈っています。
木下勝晶(株式会社アイビーエス)
いろんな社会的に意義のある活動はかなり大変だと思いますがとにかく地道に頑張って下さい。陰ながら福岡の地より応援しております。
楠田弘子(USA在住)
今回団体設立のお知らせをうけ心からうれしく思っています。遠いニューオーリンズから応援します。ニューオーリンズもカトリーナ到来から7年を迎えます。街は完全に復興してはいませんが、あちらこちらで新しい風が吹き始めています。長い道のりですが志を維持しがんばってください。
熊坂義裕(一般社団法人社会的包摂サポートセンター代表理事)
「ひとり親家族支援を考える」シンポジウムの開催、おめでとうございます。私たちの法人が実施している「よりそいホットライン」には、さまざまな相談が寄せられていますが、「社会的排除」の現実はすさまじいものでした。特に女性からのご相談は深刻です。シングルマザーの皆さんが多くの課題を抱えておられる中で「インクル」の存在は頼もしい限りです。社会的包摂の推進に向けて皆様のご活躍を心より祈念いたします。
黒田大介(精神障害当事者・家族・関係機関・市民のネットワーク「盛岡ハートネット」事務局)
インクルいわての設立、おめでとうございます。
震災は、つながりの大切さを教えてくれました。そして、官民問わず、震災以前からやるべきことをやってきた人は、震災以後もやるべきことをやっているということも、震災は教えてくれました。
精神保健や障害福祉は、女性問題と密接にリンクしています。今後、ケースを共有することがあろうかと思います。どうぞよろしくお願いします。
小出直子(福岡市)
シンポジウム「ひとり親家族支援を考える」開催に感謝申し上げます。そして、インクルいわての立ち上げに心から拍手と感謝の思いでいっぱいです。応援のメッセージとして適切かどうかわかりませんが、私の心に今、聞こえてきた言葉を書かせていただきます。
「わかちあうことができれば、悲しみは半分に、喜びは2倍になります。」
本当に、言い尽くされた平凡な言葉かもしれません。この言葉は、アメリカ・インディアンのことわざですよね。私たちは、皆、繋がっています。心を開く勇気を持って、一緒に成長していきたいと願っております。皆さん、頑張りすぎないでください。半分ずつにしましょう。
近藤恵子(全国女性シェルターネット)
東日本大震災は地域を崩壊させただけではなく、この社会が未解決のまま抱えていた課題をあぶりだしました。暴力と貧困、社会的包摂システムの脆弱性は、その最たるものです。当事者の力こそが世の中を創り変えていく希望です。困難を切り拓く女性や子どもたちとともに、インクルいわての活動にご一緒させていただきたいと思います。
~Thank you for the message~
シンポジウム開催を機に、全国の方々からメッセージをいただきました。
(主に岩手県外・シンポジウム協力のみなさま方)
いわてのひとり親家族のみなさんとインクルメンバーにとって、岩手から遠く離れていても応援してくださる方々の存在は何よりの支えとなります。
今後の活動の糧となる言葉の数々、心から感謝いたしております。
掲載可能なメッセージを50音順(敬称略)に紹介させていただきます。
匿名、掲載を希望されない方々からいただいた温かいメッセージも大切にしております。
ひとつひとつのメッセージを胸に歩んでいきます。
皆様、本当にありがとうございました!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お名前の順にご紹介いたします。(あ~お)
青木悦(教育ジャーナリスト)
「インクルいわて」を立ち上げた皆様に、心から敬意を表します。私は三十余年間も子どもの悩みについて取材し、書いてきましたが、子どもの苦しみのうしろには必ず女性(母親)の苦しみがあり、家族形態の変化についていかれない社会意識がありました。スーパー母親を要求する流れに、これからもノーと言っていきたいし、共にがんばりましょう。四月に福島に帰ってきました。東北では新参者ですが、よろしくお願いします。
赤石千衣子(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)
「インクルいわてに期待しています!!! ♡ ♡ ♡」
あの甚大な東日本大震災が起こってから、被災地のシングルマザーはどうしているのだろう、私たちに何ができるだろうと動きだし、私たちは微力ながら福島県内や東京で女性や被災シングルマザーの支援活動を続けてきました。岩手にも伺いました。
災害において、もっとも脆弱な人々のグループのひとつに、シングルマザー、シングルファーザー、その子どもたちがあげられています。
災害でないときでも、日本ではひとり親の貧困率は約60%近く、経済的な貧困に加え、子どもたちと過ごす時間も、教育も、遊びも、健康も、精神的余裕も、夢も、さまざまな面で大変な状況を抱えています。そんな平時の状況に加えて震災がやってきたとき、様々な困難が押し寄せてくることが容易に想像でき、また実際に阪神淡路大震災でも、そうだったのです。そして、今この東北の被災地で、避難した先でさまざまな大変な思いを抱えているひとり親がいます。
だからと言って、シングルマザー、シングルファーザーが無力なのではありません。自分たちでお互いに力をつけ、そして大変なことを解決し、変えていく力ももっています。私たちはそうやって、現実に世の中を変えてきました。ぜひ、いわてにもそんなグループがほしい!そんな思いが通じたのでしょうか。このいわてで、ひとり親支援をする団体ができました。
もちろん、私たち「NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は、当事者が中心の団体、インクルいわてはいろんな知恵ものと支援者と当事者がまぜまぜの団体です。
だからこその強みを発揮しながら、そしてひとり親の力にほんとうに信頼を置きながら、インクルいわてがこの岩手県の中でしっかりと根をおろし、多くの人を巻き込んで、文化も変えながら、ひとり親支援団体として活動していくことを願っています。そして私たちも実際に応援します。
赤羽佳世子(働く女性の人権センターいこ☆る)
社会のお荷物のように思われ、働け働けと言われるけれど、働ける環境、食っていける仕事を整えてから言ってよ、ですよね。少子化対策を言いながら、未来を担う子どもたちを育てているシングルマザーたちに冷たすぎる現実です。震災で弱いところへしわ寄せがいくことを少しでも止めたいですね。今こそ必要な支援があると思います。たいへんな時に支援組織を設立されたことにエールを送ります。
シングルマザーが働きやすい職場は、働く人たちみんなが働きやすい職場。シングルマザーが暮らしやすい社会は、みんなが安心して暮らせる社会。 共にがんばりましょう。
阿部彩(国立社会保障・人口問題研究所)
インクルージョン(包摂)の最初の輪は、小さくても構いません。木の年輪や、波紋のように、輪がひろがっていくことを願います。いわてが包摂のモデルとなることを期待しています。
石井嘉晃(株式会社キャリア・リード)
この度はご設立、誠におめでとうございます。遠い九州地方からではございますが、心は一緒に私達も頑張って活動して参ります。力を合わせて困難を乗り越えて参りましょう。今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
石澤貴志(青森市)
「けっぱれ!インクルいわて!!」
7月1日のシンポジウム開催おめでとうございます。法人化から6ヶ月という節目を迎えられ、各分野でご活躍されている方々が参集したシンポジウムが開催されることは誠に喜ばしく、心からお祝いを申し上げます。
震災以降、人と人との「絆」の重要性が再認識されたといわれていますが、貧困・格差社会を背景とした幼児への虐待や学校での「いじめ」問題や、高齢者への虐待、配偶者などからの暴力によるDV被害・男女差別などの問題、さらには、インターネットの書き込みによる 人権侵害など、人の命と心に関わる様々な問題が生じています。
どうかこれからも、ひとり親を対象とした就業支援、子育て支援、生活支援を通じて、岩手での社会包摂の実現の原動力となってください。
結びに、インクルいわての更なるご発展と、メンバーの皆様のますますの御健勝・御活躍を心から祈念するとともに、応援メッセージを送らせていただきます。
けっぱれ!インクルいわて!!いっしょにがんばりましょう!
伊田久美子( 大阪府立大学)
ひとり親家族が生きやすい社会はだれもが生きやすい社会です。
出生率をあげようとする少子化対策よりも、今生きている子どもたちを大切に育む社会でありたいと願っています。微力ながら応援しています。
井上博之( 株式会社キャリア・リード )
この度はシンポジウムの開催心よりお祝い申し上げます。貴団体のこれまでの活動やその趣旨を拝見し、大変共感するとともに私にできるお手伝いはないのか?という思いに駆り立てられました。私も「母子家庭のひとり親家族」で(負けじどっこいと)育ったものとして、九州という離れたところからではございますが『心は近くに』という思いで、応援をさせていただきたいと思っております。ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
岩田正美(日本女子大学教授)
労働市場からも排除され子育てにエネルギーを使いさまざまな困難の中で、ともすれば落ち込んでしまう人々への支援は、決して易しいことではありません。制度の充実はむろん必要ですが、一番大事なことは排除されている人々自身が語り合いその声を、パワーを取り戻すことです。
「インクルいわて」が、当事者が主役となる活動の核になることを期待します。
上溝博司 (司法書士、大阪司法書士会 )
どんなに強い男性でも、仕事を失い、家庭を失い、健康までも失えば、大変弱い存在だとお聞きしたことがあります。弱音を吐けないのも少し辛い。少しシャイなそんなお父さんも集まれて元気を出してもらえればいいですね。
遠藤智子(NPO法人全国女性シェルターネット)
シングルマザー支援団体を立ち上げる、しかも「包摂」を法人名に掲げると聞いて、まったくもって「理にかなっている」と思った。生き難さを抱える「少数者」こそ、社会に確固とした居場所を持ち、中央へ登場するべきだからだ。「インクル」の皆さんは、シングルマザーという当事者性を発揮して岩手から社会を変えていくに違いない。「女ひとり猫一匹」で生きてきた私も仲間に入れてもらって、その道のりを一緒に走りたいと思っている。
大崎麻子
(Gender Action Platformアドボカシー担当、
Take Action Foundation評議、関西学院大学客員教授、元国連職員)
インクルいわての発足、おめでとうございます。ひとりひとりが持って生まれた可能性を開花させられるような社会をつくること。ひとりひとりが自分の意思で人生における選択肢を選びとれるようにすること。インクルいわての活動趣旨は、国連から草の根のNGOまで、世界各地・日本各地のあらゆる組織の志と合致しています。たくさんの応援団の力も借りながら、岩手のひとり親家庭のママ・パパ・子どもたちと共に一歩一歩前進してください。
大沢真理(東京大学社会科学研究所)
ひとり親家族が安心して生活でき、将来に希望がもてるどうか。それが、誰にとっても暮らしやすい社会の目安です。これまでの社会のあり方を根底から再構築する必要があることを、大震災・津波・原発事故が明らかにしました。ひとり親家族支援は、国民と地球市民全員にとって、よりよい持続可能な明日を作る取組です。
大戸はるみ(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡、福岡市立母子福祉センター)
ひとり親が生きやすい社会は、誰もが生きやすい社会です。
福岡から岩手は遠いですが、気持ちは近くにいます。
大森順子(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西、社団法人子ども情報研究センター)
シングルマザーはひとつの生き方だと思い、誇りと自信を持ってシングルマザーを生きています。どんな生き方を選択しても不利にならず、どんな生きかたでも丸ごとオッケーな社会をめざして、いっしょに楽しく活動していきましょう。
岡島敦子(内閣府男女共同参画局)
誰もが望む・望まないにかかわらず、ひとり親世帯となる可能性があります。そのときどうするのか、どうしたいのか、どうしてほしいのか・・・。「インクルいわて」が、課題の一つ一つをともに解きほぐしていく場として、大切な役割を果たしていかれますことを期待しております。応援しております。
長上深雪 (龍谷大学社会学部)
ひとり親家族支援を使命として、このような素敵な名前の組織をたちあげられたみなさまのご努力に敬意を表します。
ご存知のように、ひとり親家庭の問題は深刻になることはあっても一向に解決の方途がみえません。親自身の自助努力では到底解決しえない構造的な問題を常にかかえ、より多くの人との連帯のもとに、問題解決に向けて世の中に強く発信していくことが求められます。
震災後ともすれば気力さえも失いがちになる被災地において、こうした会が芽生え、多くのつぼみを付けようと活動に着手されたことは、被災地のみならず全国のひとり親と家族、そして同じ問題をかかえる人々に、困難に立ち向かう勇気と希望を与えるものと確信しています。
つぼみはやがて大輪の花を咲かせ、またそこから全国に種が飛び散り、それぞれの地域に小さな芽がまた出てくる様が目に浮かびます。みなさまの今後の活動を陰ながら応援しております。
小澤吉徳(司法書士 静岡司法書士会)
静岡の司法書士の小澤と申します。
まずもって、インクルいわての取り組みについて、心から敬意を表したいと思います。
静岡県司法書士会においては、20年前から多重債務被害救済活動を積極的に支援しておりますが、ご相談者の中で、ひとり親の世帯の占める割合はとても高いのが現状であります。
貸金業法改正時に策定された多重債務者改善プログラムにおいて、専門家の役割としての基調となっているのは「生活再建の支援」の視点であると理解しておりますが、多重債務事件に取り組む司法書士ひとりひとりが、日々の執務においてそれをもっと自覚すべきだろうと思います。
もちろん、自戒の気持ちを込めて。
貸金業法改正の議論の中では、専門家の役割として「カウンセリング」の重要性が強調され続けていましたが、ここでいう「カウンセリング」は、段階的に次のようなものだと指摘されていました。
1.「債務整理」
2.「家計管理」
3.「自立支援」
4.「心のケア」
つまり、司法書士のような専門家に求められているものは、借金の法的解決に留まるものではない・・ということだと理解しています。
インクルいわてのひとり親支援の取り組みも、私たち専門家に与えられた使命と大きく重なる問題であります。「連携」という言葉をキーワードに協働できればありがたいと思っております。
小野寺けい子(川久保病院小児科医師、盛岡医療生協理事長)
子どもは「未来の宝」です。子ども達に寄り添い、希望を抱ける社会をつくるためにも、インクルいわての活動に期待しています。
シンポジウム 開催の御礼
2012年7月1日 盛岡市アイーナに於きまして インクルいわてシンポジウム「ひとり親家族支援を考える」を開催いたしました。ご後援、ご協力いただきました皆様の温かい支援により全国各地から約100名の方々にご参加いただき、無事終了することができました。誠にありがとうございました。
被災地で行政、当事者団体、被災地の医療の現場、それぞれの立場の方が一堂に会し、共に支援のあり方を考える機会となったことに、まずは大きな意味があったと思います。ご参加くださった方も、行政、民間団体、地域支援者、研究者、学生、一般市民、ひとり親家庭の方々、さまざまであり、質問も多く寄せられました。
今まで十分に認識されてこなかったひとり親家族の現状と、就業環境、子育て環境、社会保障制度をめぐる問題点を、それぞれの立場の方々と共通認識にしたことに大きな意義があり、岩手の復興と生活再建への確かな一歩になったのではと考えております。
当シンポジウムを開催するにあたり、全国の多くの皆さまから、応援メッセージをいただきました。この場をお借りしまして、心から感謝申し上げます。
寄せられたメッセージには、私たちのビジョンやミッションを共有する嬉しいお言葉が並び、岩手から遠く離れていても、インクルいわての活動を応援しくださるという、温かく、そして、心強いものでした。
「社会的包摂」を理念とする岩手初のひとり親支援団体へメッセージは、熱く、身が引き締まる思いで、メンバー一同、決意を新たにいたしました。同時に岩手で奮闘しているひとり親家庭のみなさん、地域のみなさんにとりましても、大きな支えとなったものと思います。
つながり、支え合い、家族のカタチにかかわらず、誰もが生き生きと暮らしていける包摂された社会(Inclusive Society)の実現に向けて、今後も活動を続けていきます。私たちと共に歩んでください。今後ともよろしくお願いいたします。
NPO法人インクルいわて 一同
インクルいわて シンポジウム 報告
シンポジウムは3部構成で開催しました。
1部は 阿部彩さん(国立社会保障・人口問題研究所)をお招きして、「ひとり親家族の現状:震災、貧困、社会的排除」と題する基調講演をいただきました。40分という短い時間ではお話しきれないほどの豊富なデータに衝撃を受けました。
ひとり親世帯の2人に1人が貧困(ふたり親世帯は10人に1人)、OECD加盟国の中でワースト1のひとり親世帯の子どもの貧困率の高さ、この問題は日本社会の課題の縮図であること、先進諸国の貧困の子どもの10人に1人は日本の子どもであること、公共料金の未払いや、債務の滞納、賃貸住宅費の滞納、受診抑制など経済的制約を抱えている世帯が相当数存在することなどが、各種統計や調査データを踏まえて示されました。そして阪神・淡路大震災では震災後の経済的影響は5年以上経過してからも悪化し、震災後に上昇した「復興感」が3年後から再度下降する復興曲線を示し、一時的な支援と暖かいまなざし(災害ユートピア)は時間と共に関心が薄れていくが人を支える支援が必要なのはこれからだと示唆されました。
インクルいわてのメンバーが震災前からそれぞれの支援現場において肌で感じていた、ひとり親家族の生きづらさ、しんどさが、まざまざとデータで示されました。
第2部では、5人のパネリストの方々に、話題提供をいただきました。
まず、菊池秀樹さん(岩手県保健福祉部児童家庭課健全育成担当課課長)より、岩手のひとり親世帯の現状と県の取り組み、各種支援制度、震災後の遺児家庭(ひとり親家庭となった児童481名)支援について、お話をいただきました。
続いて、母子家庭支援の当事者団体であり、日本でも先駆的な活動を行っているNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京)の赤石千衣子さんより、当事者の目線から行ってきた活動と、東日本大震災の被災者支援の報告をいただきました。しんぐるまざあず・ふぉーらむの皆さんは、積極的に被災地支援に入られていて、岩手でも、私たちインクルいわてと共に、お茶っこサロンを開催したり、沿岸訪問に回られたりと、ご尽力くださっています。
父子家庭支援の当事者団体「宮城県父子の会」代表の村上よしのぶさんからは、父子世帯の公的支援が乏しいこと、気軽に相談できる窓口や組織が少ないこと、社会的認知度が低くて地域や職場の理解が乏しいこと、母子家庭同様、家事・育児に追われて疲弊していること、社会から孤立しているのが一番の問題であることなどが話されました。この震災で妻と死別し父子家庭となっても「遺族年金」が受給できないことなど、社会保障制度への問題提起と、宮城県という同じ被災地での父子家庭支援活動についてご報告いただきました。
小野寺けい子先生(川久保病院小児科医師/盛岡医療生協理事長)は、岩手の医療現場からみた子どもの貧困について、ご報告をいただきました。川久保病院は無料・低額診療事業を行っていますが、実際、お金がないと病院に行けない実態があること、貧困家庭における歯科・口腔問題(親子ともに)、保険医協会受診実態調査からみる受診抑制、未納金問題などの例を挙げ、子ども医療制度の創設と、子どもの権利条約が守られているか見守る必要性があることなどをお話いただきました。
最後に、インクルいわての代表の山屋が、設立趣旨、活動の背景、岩手のひとり親世帯の現状と生きにくさ、活動の3本柱である「生活支援」「子育て支援」「就労支援」について、当事者の隣にいてよりそうという今後の取り組みを話しました。この岩手の復興のキーワード包摂された社会(Inclusive Society)の実現に向けて、自己責任ではなく、社会の構造が排除しがちな人々を、日常生活で包み込まれる社会を構築することをビジョンとしていること、ひとりでも生き生きと子育てができる社会・最も生きにくい人に合わせた社会が、全ての人にとって生きやすい社会であり、それこそが、求められている復興支援であると提言しました。
全体討論は、十分な時間がありませんでしたが、岩手の具体的な支援制度について、母子家庭やシングルマザーという名称について、父子家庭だけでなく男性全体の子育てのしづらさについてなど、会場からの質問に答える形で議論が進みました。そして、ひとり親家族をめぐる問題は、当事者だけの問題だけでなく、社会全体の問題であること、つまり、子育てをしている女性が働き続けられること、男性が働きながら子育てができること、非正規雇用や被災地の就業支援のあり方など、広く皆で考えていくべき課題であるとの共通認識が示されました。
第3部の交流タイムでは、会場に残った方々が、自己紹介したり、挨拶をしたり、登壇者に直接質問をしたりなど、参加者同士で交流と親睦を深めました。

2012年7月4日付 この記事・写真は岩手日報社の許諾を得て転載しております